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毎日のように入るお風呂ですが、
そのお風呂と健康の密接な関係が
注目されています。
監修:勝木道夫(医師) |
寒い冬、カラダを温める手っ取り早い方法はなんといっても温かいお湯に浸かること、お風呂が一番ですね。
お風呂に入ること「入浴」は、カラダの汚れや余分な皮脂などを洗い流し、肌や毛髪などを清潔に保つことで、感染症などの病気を防ぐ効果がありますが、それ以外にも健康維持に役立つさまざまな効果があるといわれています。
1つ目はお湯の熱(温熱作用)による効果です。温かいお湯に浸かると皮膚の毛細血管をはじめ、全身の血管が広がり血液の流れがよくなります。それにより、体内に溜まった老廃物や疲労物質が除去され、筋肉のコリがほぐれ疲労回復にもつながります。また、少しぬるめのお湯に浸かると、副交感神経が刺激され、たかぶった気持ちを落ちつかせる効果も得られます。
2つ目は水圧(水圧作用)による効果です。お風呂の中の水圧は以外に高く、ウエストが数センチ細くなるほど。この水圧にはマッサージと同じような効果があり、足などに溜まった血液を心臓に戻し、血液の循環を活発にすることで新陳代謝を促してくれるのです。また、お湯から上がると、水圧により圧迫されていた血管やリンパ管などが圧力から開放されることで、全身の血行がよくなり、入浴後も体温を高めてくれるのです。
*急な圧力の変化による脳貧血などを防ぐためには、少なめのお湯に浸かる半身浴をお勧めします。
3つ目は浮力(浮力作用)による効果です。水中では浮力が働き、カラダが軽くなります。普段体重を支えている筋肉や関節への負担を減少させ、緊張感を緩和することで心身ともにリラックスできるのです。
体温を上げると健康になる
入浴によるこれらの効果の中で、最近特に注目を集めているのは、お湯の熱による効果です。
お湯に浸かることでカラダは暖められ体温は上昇します。体温を高めることは健康を維持する上でも重要なことなのです。人間の体温は通常、外気温にかかわらず平均36.5℃前後に保たれていますが、その平均体温が1℃でも下がると免疫力は低下し、逆に1℃上がると免疫力が活発化するといわれています。
(風邪をひくと熱がでるのも免疫力を上げようとする防衛反応であるといわれています)
健康維持にとって大切な免疫力は体温に大きく左右されているのです。寒い季節、ウイルスや病気に負けないためにも、入浴により体温を上げることは有効なのです。
体温の上昇は、免疫力アップ以外にも全身の代謝を活発にします。生活習慣病をまねく内臓脂肪の燃焼をしやすくし、老化を防ぐ成長ホルモンなどの分泌を促すためにも入浴はお勧めです。
入浴の効果をアップするために
入浴の効果を高めるためによく用いられるものに入浴剤があります。
保温や保湿を目的にしたものから、清涼感や癒しを求めたものまで、天然温泉の成分やハーブ、オイルなどを含んださまざまなものが市販されています。
入浴剤以外では空気の泡を発生させるバブルバスが温浴施設で以前から使われていましたが、最近注目なのが、ミクロの泡を発生させるマイクロバブルのお風呂です。
微細な気泡が全身を空気のベールで被うことでカラダへの水圧による負担や皮膚への刺激を和らげ、カラダを芯から暖め血行をより促進してくれます。
従来からの強い水流や泡の勢いで直接カラダをマッサージするタイプとは違い、静かでカラダに優しいミクロの泡は子供や高齢者の入浴にもうってつけといえるでしょう。